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キス・オブ・ザ・ドラゴン

Kissthedragon4 中国語タイトル:「龍吻

ぎゃははははは!
「黄飛鴻Ⅱ」を見て「Oh! Oriental Magic!!」とハマった欧米人が作っちゃいましたよ、って映画だなあ。――と思ったら、原案が李連杰だって。ううむ、なかなかの商売人よな。

髪の毛のある李連杰っていまだに違和感があるのですが、見てたら慣れるもので。
ストイックで、武術の達人で、しかも鍼の知識まで持つこの主人公、どうしても黄師父を思い出さずにはいられません。
しかし彼は麻薬密売を追う捜査官。パリに来たはいいが、フランス語は分からないし、土地勘もないし、合同捜査するフランス人警部(実は密売の仲介人)にはめられて殺人の濡れ衣を着せられるしと、いきなり踏んだり蹴ったりな事に。

ホテルの部屋から部屋へ縦横無尽に逃げ回る主人公。武器なしで何人もの追っ手を片付けてしまうファイトシーンはさすが李連杰。趣きにはかなり欠けますけど(だってアイロンとかモップとか使ってるんだもん……でも向こうは銃に手榴弾だから許す)。使えるものはビリヤードの玉でも使う、コレも黄師父の指弾に比べれば優雅さに欠けますが、まあ仕方がないやね現代だから。

絶望的な局面から身一つで脱するというシーンが度々あって、そこでのアクションがもちろん見せ場。まあフランス人相手に負ける訳がないので、安心して見ていられます。
Kissthedragon7 むしろ、住所を見ながら歩くとか、駅で乗換え方を聞くとか、行き先の分からない地下鉄に乗っちゃうとか、知らない街を歩き回る主人公の「所在無さ感」が妙にリアルに胸に来ましたね。懐かしい既視感。で、チャイナタウンに行くと、みんな頭が黒いからとりあえずほっとするんだ……白いご飯も食べられるし。

チャイナタウンで主人公が潜伏する店の親父さん(宇津井健似の元美男子)、何故か主人公と流暢な英語で話すのは、普通話を使えないのか(中国人同士では中国語をしゃべっていたのに)、それとも話の都合上か。店の前に立つ娼婦が米国出身というのも、話のご都合なんですねきっと。

利害が一致した主人公と娼婦は協力することに。最終的には利害抜きの心情になっていますが、なんでそこまで彼女に入れ込むのかよく分からない(実は自分にも子供が、とかいう訳でもなかったし。大体バックグラウンドのない人なんだ)。
二人の敵であるフランス人警部が彼女の娘を人質に取り、主人公は警察署へと乗り込む、最後の見せ場。例えるなら黄師父と白蓮教との対決シーンでしょうか。
警察署だから警官がわらわら出てくる。入った所が道場で、稽古中の警官が一斉に挑んでくる。別の部屋へ行くとオラオラオラオラな双子がツイン攻撃(感覚で解って頂ければ)。ようやっと追い詰めたラスボス警部は、しかし少女に銃口を突きつけており、絶体絶命。

撃たれながらも捨て身の攻撃、最初で最後の一手は、なんと鍼。しかも口でぶっつりと。まるで主人公が警部のうなじにチュウしているようですが、これが世にも恐ろしい禁じ技。主人公は少女に優しく外で待つよう言います。動きを封じられた警部には死の宣告を。「お前はすでにこれから体中の血が脳に集まり、鼻から噴き出す。耳、目からも。このツボの名は、『キス・オブ・ザ・ドラゴン』」……マジですか。
警部は「ひでぶ!(フランス人だからhを抜いて、イ・デ・ヴ?)」とは叫ばなかったが、まるでエイリアンの幼生が体から出てくるんじゃないかという苦しみようで死んでいきましたとさ。

――という話。アクションは素晴らしいのですが、肝心の主人公に深味がなくて残念(キャラとしては魅力的だし、おぼろげな含みはあるんだけども)。本国から来た捜査官を匿う極秘任務に就き、孫娘の顔を見ることもなく海老せん屋として15年、その任期も終わろうという矢先に殺されてしまった親父さんの方に心が動かされました……いや決して爺贔屓というのではなく。もう少し人物にクローズアップした続編でもあればいいのにね。

新作「ローグ・アサシン」?
ジョン・ローンと石橋凌とケイン・コスギがどうにもこうにも微妙過ぎ。

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