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白昼の異次元空間

ちょっと見たかった映画がやっていたので、朝イチで伊勢佐木町方面まで出かけた。筋金入りの方向音痴なので、プリントアウトした地図もしっかり持って歩いた。が、駅を出て歩きだしたら、案の定迷った。

別段入り組んだ道ではない、基本的には四角いブロックが続いているような所なのに。
しかし立ち並ぶ(しかも朝から営業している)大小の風俗店、見るからに893の(下の方っぽい)人々、開店前の中国料理屋にハングル文字の店(何の店かは不明)、なぜか決まってシーズー(シーズー以外の犬は見なかった)を散歩させている地元民、妖しい『刺青保存会』(記憶曖昧)の看板、そして照りつける日差しに判断力が鈍ってゆく。

方向としては合っているはずなのに、映画館だけが一向に見えてこない。行きつ戻りつ、同じ道を通る。はっきりしない頭の中でくぐもった警報が鳴り続けている。香港を一人歩きした時だってこんなに緊張したことはない。アドレナリン大放出。

完全に迷った、と思いながらも歩き続けていると、携帯ミラーを見ながら前を歩いていたお姉ちゃんが、黒服のおじさんに「ご苦労様ですっ」と言われて店に入って行った。ああご出勤か、こういうお仕事も普通の時間にご出勤なのか大変だなあ、とか頭の片隅で思ってはみたが、もう限界。

交番に飛び込んで道を教えてもらった。おまわりさんありがとう。

かなり行き過ぎていたが、なんとか上映時間までにたどりついた。しかしあまりに閑散としているので、入り口にいらした銀髪のご婦人に「もう開いてるんでしょうか?」と聞いてみた。「多分……私はこれを見に来たんだけど、時間が早すぎたわ」と彼女が指さした看板は、「ブエノスアイレス」。――うーん、やりますねえ(もしかしたら「さらば、わが愛 覇王別姫」だったかも。どちらにしても魔性の王子レスリー迷なのでせう)。

入場して席に着くと少し気が遠くなった。もちろん映画はちゃんと鑑賞。

風を聴く~台湾・九份物語~

台湾のツアーパンフレットによく出ている、赤提灯のぶら下がった坂の町。古老の話から町の歴史を振り返るというもの。手持ちビデオを使った、いかにも素人っぽい作りの(ホントはプロ製作)ドキュメンタリー映画だが、老け専としては古老のお話が最も印象に残ったし、秀逸だと思った。

80歳のお爺ちゃんだから日本語は上手いし、歴史の生き証人だから話に真実味がある。日本が戦争に負け、割譲後長らく植民地だった台湾が中国に復帰。しかし本土からやってきた兵隊を見たとき、正直「がっかり」だったと。つまり、靴ではなく草鞋履き、笠を背負い豚を追いながらの、いかにも文化的に遅れている感じの兵隊にこれから従うのか……、という心情だったようで。
台湾の微妙な立場がなんとなく分かったような気分(あくまで個人的な気分)。

この江老人の人生と、東洋一の金鉱町の栄枯盛衰とが重ねられて映画は進行するのだが、とにかくお爺ちゃんの品が良く、渋さの中に可愛げがあって素敵だった。だから、1970年代の廃坑後寂れる一方だったこの町が89年の「悲情城市」をきっかけに盛り返して今に至る、って事が思いきりスルーされていても気にしない(周知の事実として敢えて触れなかったのかしら)。

「ああ、ええもん見た」と外に出て時間を見たら正午近く。
最寄り駅を目指してぶらぶら歩いたが、来た時とは違いそこはもう全く普通の町で、迷わず5分で駅に着いた。

グッときたぜよ!感が味わえる映画館

JackandbettyTheaterentrance

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