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地獄の顔も三度まで

インファナル・アフェア(無間道)」三部作、録画したので一応観たが、疲れた。

潜入スパイ同士の攻防というスリリングな設定であるがゆえに、ダラッと見てたんじゃ頭脳戦に取り残されてしまうのと、全編通しての暗いトーンがやり切れないというのとで、神経が疲れた。相手の裏の裏をかいて辛くも生きのびるってストーリーは、ちょっと「デスノート」っぽいテイストだったりするけれど、「デスノート」が小学生男子の壮大なホラ吹き合戦的荒唐無稽さで気楽に楽しめるのに対し、「インファナル・アフェア」はこういう捜査リアルで絶対やってるよね的臨場感が生々しすぎて楽しくない。

Wikiに、「香港ノワールの代表作」って書いてあったが、そうか、今はそうなのか……。ハリウッドで公式にリメークされ、日本で非公式にパクられたくらいだからそりゃあ受けたのでしょう(でもどっちも観てません)。が、自分的に香港ノワールの代表作=「男たちの挽歌(英雄本色)」というのは譲る気はないんだけどもね。

暗い話が続く中、唯一の慰めはトニー・レオンが童顔なことくらい。つか、何なの貴方の異様な若々しさは!と言いたくなるほど童顔。18歳の頃(微妙に似てない)より童顔。しかしその童顔で苦悩したり血を流したり、挙句の果てに額を打ち抜かれて死んじゃったりというところに、ファンは悶えるんでしょうなあ。(「ラスト、コーション」の易先生でいい感じに老けて、と思っていたけれどあれは老けメークで前髪を抜いたりしたらしいです。が、今は生え際も童顔も復元した様子。髪は長ーいお友達)

あ、もう一つ、三部作出ずっぱりのアンソニー・ウォンをじっくり堪能できたのも大きかった。サイモン・ヤムと変態役の双璧を成す俳優という認識(ごく個人的な認識です)だったのだが、その出演作をついぞ見たことがなかったので。彼の出世作は「八仙飯店之人肉叉焼飽」なる猟奇殺人もの(←確か三級片)、アンソニー・ウォンと言えば人肉饅頭、人肉饅頭と言えばアンソニー・ウォンってなくらい、強烈にイロモノな印象。……しかし何だ、顔が濃いだけじゃん。良かった。

Anthony2

  BrosMashimo

←どことなく似ている人たち(ただしアンソニーは英港ハーフ)

  

  

  

ウォン警視、いたいけなトニーに10年もの過酷な潜入捜査を強要する鬼上司のように見えて、その最期はトニーの秘密を守り通して嬲り殺されるという義理堅いもの。しかし、マフィア一掃のためにマフィアと手を組む(マフィアでマフィアを始末させる)、柔軟だが強引な捜査手法は本末転倒。ううむ、本当のところはいい人なんだか悪い人なんだか。警察にもマフィアにも情と非情の両面があって、善と悪とが表裏一体に思えてくる不思議。

警察官とマフィアと、どっちのキャリアを重ねているんだか分からなくなるトニー、そのただ一つの安らぎの場が精神科診療室のカウチとは泣かせます。美貌のカウンセラー、ケリー・チャンも、ほっておけない様子の彼に患者にする以上のことまで。しかしケリーはなぜあんなに目が鋭いんでしょう。邪眼とかメデューサとかやらせたらはまるだろうな。

Kellychen

  

  

   

  

これほどの眼力を持つ女優さんは日本には少ない。強いて挙げるなら

Kayoko  

 

 

 
白石加代子様くらいでしょ、匹敵するのは。ちょっとこの写真では分かりにくいかと思うけど、射抜くような目つきや威嚇的に微笑む口元がとても似ている。たぶん白石様のお若い頃(「女囚さそり 第41雑居房」はさすがに写真が見つからず)と比べると、もっと似てるんじゃないかと。

しまった、話がつまらない難しいからつい脱線してしまった。
Iはひたすらトニーが哀れでならず、IIは血で血を洗う香港マフィアの共食いっぷりにげんなり(しかも香港が中国に返還されようがされまいが抗争は止まず。啓徳空港は懐かしかった)、IIIではどんどんおかしくなっていくアンディ・ラウの空虚な顔と、彼を追い詰めるべく唐突に出現したレオン・ライ(←彼も警察学校にいたという設定、苦しすぎ)との攻防に疲れ切った。

IIIのラストシーン、カリーナ・ラウがアンディの背後に妄想として現れたときは、「あっ、トニーの仇を討ちにきた!」と思ってしまったじゃないか。カリーナはエリック・ツァンの女房だった。ややこしい配役にするなよ(いや、実際にはトニーとカリーナは同じ画面には出てないんだけどね。っていうか、まだ二人パートナーですよね?)。

全編を通したこのややこしさ、息苦しさがもう地獄。若者に警察官とマフィアだけにはなるまいと思わせる目的か。延々と生き地獄を見るくらいなら、街頭か地下鉄の階段でプラスチックのコップを振ってる人生の方が楽しいかも知れないな、と。香港なら路上で寝ても凍死しないだろうし(強盗か車に殺される可能性はアリ)。

こういう何のカタルシスもない話、今の(つっても3~5年くらい前か)流行なんだろうか。私としては、「男前!(鼻血)」、「二丁拳銃!(鼻血)」、「ロングコート!(鼻血)」、「友を守って死んだー!(鼻血)」みたいな話を求めているんだけど……。カタルシスって「瀉血」の意味もあるらしいから、おかしくないよね。(←決してキャストが最盛期のチョウ・ユンファだからと言うのではない。その証拠に、先日見た「愛と野望の挽歌」のユンファはヘアスタイルが半魚人、高音でがなり、へなちょこの殴り合いをするという悪夢の三重苦だった…。アンディも出てたな、アラレちゃんみたいなメガネかけて)

ごめん、トニーにアンディにアンソニー、ついでにエリック。いまいち燃えられなかったよ。

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