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「修羅雪姫」 未踏の白雪、散華の血飛沫

梶芽衣子姐様の「修羅雪姫」(真作)をやっと観ましたー。いやあ素晴らしかった。

修羅雪姫

メインストーリー(雪の出生から仇討ちを果たすまで)なので、話がちゃんとまとまってます。まあ、本来「修羅雪姫」ってそれだけの物語で、夫と息子を惨殺され、女囚として死んだ母の恨みを晴らすべく、仇を探し出してズバズバと殺してゆくというお話ですね。

やはり主演梶芽衣子様の、艶やかな着物姿、鮮やかな刀捌きといったビジュアルが主たる見どころですが、もう一つの見どころと申せば。

はい、virgo少女時代の雪の特訓シーンtulipでございます。(←黒猫亭様ご推薦

いかにも生臭い和尚様(西村晃先生)から受ける、数々の謎の特訓。大樽に入って斜面を転げ落ちる、腰紐で互いを繋ぎ木刀で打ち合う、真剣を前に体をかわす、いずれもアクションとしてはハードなのですが……。

特に大樽は何に役立つんだろうか。宇宙飛行士の訓練みたいですが、平衡感覚や敏捷性を養うものなんでしょうかね。やたらインパクトはあるが一体何の効果があるのか分からない特訓という点では、「巨人の星」や「アタックNo.1」と同じようなニオイが致します。

そして、真剣の和尚様に丸腰で向かう特訓。
間合いが詰まって跳躍するも、和尚様の刃は着物の背を斬っており、地面に立つと着物が左右から引っ張られに分かれて、背面はお尻まで丸出し。もう1カット、前にいる和尚様(ん?ジャンプして和尚様を飛び越したんじゃないのか?)の肩ナメで正面から雪の全裸(腰から下は和尚様の肩が邪魔で隠れている)。
ニッと笑いさらに斬りつける和尚様の刃をくぐり逃れると、肩先から血がツーッと流れ、和尚様を睨んだまま血を舐める雪(全裸)……。

素晴らしいshine。冒頭最初の殺しでも出ていた唐突な回転ジャンプは、辛苦に満ちた特訓のたまものだったのですねえweep

――っていうか、これくらい「贋作・修羅雪姫」で釈ちゃんにやらせなさい(もう少し隠さざるを得ないだろうが)。当時の梶さんだと、肩見せや内腿見せが限界だったか。

さて冒頭、仇の一人柴源(宿敵でおなじみ小松方正氏)を仕留めた雪は、乞食の大元締め松右衛門(ムーミンパパこと高木均氏らしいが全然判らず)に会いにゆき、残りの仇の行方を突き止めて欲しいと頼みます。

次は海際のとある土地に渡世人として入り込み、もう一人の仇竹村(仲谷昇氏……というと「カノッサの屈辱」なんだな)を討ちます。命乞いする男を「因果応報!」と叫んで斬り捨てる雪ですが、彼の娘には「困ったら東京へ」と告げて去ります。まあこれが別の因果応報になるわけで。

リーダー格だった塚本儀四郎が死んでいたことが分かり、その墓の前で立ち尽くす雪。花を斬って立ち去る彼女を見て、後をつける足尾という男。これが映画オリジナルキャラで、演じているのが黒沢年男氏なんですが(やや熱血っぽいところが原田芳雄よりはいいと思います)、ちょっと綾小路きみまろみたいなヘアスタイルなのが残念。文明開化の世の中ですから、普通にざんぎり頭で良いものを。

彼は小さな新聞社をやっていて、雪に興味を示しますが、雪は拒絶して相手にせず。しかし彼のところから「修羅雪姫」の物語を載せた新聞(瓦版?)が出て、驚く雪。問い詰めるとリーク元は和尚様、仇の探索を続けるよりもおびき出そうという計画。さすがです。

原作ですと、この「修羅雪姫物語」は宮武外骨(昔流行ったなあ)が書いている設定だったのですが……、色々事情があったのでしょう。

そんなある日、足尾の新聞社を訪ねてきた偉そうな男が、これ以上首を突っ込むなと警告を。入れ違いに来た雪に、塚本儀四郎が今ここにいたこと、塚本は父であることを告白する足尾。この塚本役、「二十四時間の情事」のダンディ岡田英次氏なんですね、全然結びつかないいいいwobbly

突然新聞社に警察の手入れがあり、足尾が連行された先は何故か料亭。和尚様の読み通り、北浜おこの(中原早苗様、コワい)が先手を打ってきたのです。料亭に乗り込む雪を拳銃で迎え撃つおこの。男衆に囲まれるも皆殺しにし(狭いところでの殺陣が良かったheart04)、逃げたおこのを追うと、なんと彼女は首をつって既に息絶えており。その死体の胴を真っ二つ(下半身だけ床に落ちるcoldsweats02)にする雪に、恨みの深さが感じられます。

傷だらけの二人は塚本を狙ってdrama假面舞踏會boutiqueの催される鹿鳴館へ。芽衣子様の洋装ーーーhappy02!と思いきや、和服でした……○| ̄|_

影武者まで使う(変装で顔に皮かぶってたcoldsweats01明治なのに)塚本をついに見つける二人。足尾が押さえ込みますが、実の息子に容赦なく銃弾を浴びせる塚本。雪も弾を受けながら、足尾ごと塚本を串刺しにし、とうとう本懐を遂げます。

放心して外に出たところを、竹村の娘に刺される雪。ああ、ここにも仇討ちが、因果応報がweep

腹に銃弾、さらに短刀を受け、他人の血と己の血にまみれ、よろよろと歩く修羅雪。ついに力尽き雪の上に倒れ、苦しげな雄叫びを上げて雪に顔を埋め、動かなくなります。
と、ところが、一夜が明け、太陽が昇ると、うつ伏せていた頭がガッと持ち上がり……!い、生きてたああああああーーーーshockshockshock!まるでハリウッド映画、「I'll be back」でございますう(続編につながるように)。
そういえば贋作で釈ちゃんも最後の雄叫びを上げておりましたから、似せてみたんでしょうか(そんなとこだけ)。

先にも申しましたが、陰惨な話の中での見どころは雪の着物姿。特に血飛沫のかかった白地の着物の、赤と白のコントラストが美しいのでありました。
香港映画のお約束に「白いスーツを着ていたら、必ず壮絶に撃たれて死ぬ」というのがありますが、それと同じで。白衣は流れる血のために用意された舞台と言えましょう。雪の父親(大門正明氏、若い)も白い背広を着て村に入ったところを斬られ突かれの大出血で亡くなったのでした。

「贋作・修羅雪姫」がダメなのはそれもあるかなあ。みんな黒装束で、返り血を浴びることを計算に入れてないでしょ。修羅雪のイメージは白なのに、白いワンピースを着せられるまで全然それが出てこないし。最後の戦いを白ワンピでやっていたらまた違ったかも知れませんけれど……(あれ、着てたっけ?もう忘れたcoldsweats01)。

というわけで、真作のダークでディープな昭和の感覚を堪能致しました。梶芽衣子様の歌う挿入歌もポイントが高く、見どころ聞きどころと申せましょう。

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コメント

お疲れ様です。詳細なレビューを拝読しても、やっぱり特訓シーン以外殆ど覚えていなかった黒猫亭です(笑)。

>>正面から雪の全裸

昔は凄いですよねぇ、今時そんなことが平気で出来る人がいるとすれば、大林宣彦くらいですよ(木亥火暴!!)。

何せ、今は何だか出世して大きな顔をしている宮崎あおいまで子役時代に脱がしてますからねぇ(木亥火暴!!)。あの人の脱がしのテクニックには凄いものがあるらしくてですね、今までの映画で少女の全裸が出て来なかった作品が殆どないくらい凄いらしいですよ。

…いや、ほぼ本題に絡まない話題ですいませんでした(笑)。

投稿: 黒猫亭 | 2009年8月29日 (土) 06時52分

コメントありがとうございます。

本編はさしてどうということもないので、語ることは正直余りなかったりcoldsweats01

ぬ、脱がしのテクニック……coldsweats02
大林監督作品はほとんど観た事がないのですが、メディアでの取り上げられ方から勝手に判断して、文部省推薦映画系なのかと思っておりました。

変わることなく「少女の全裸が必要」と主張できるならば、それはそれで尊敬に値するかと存じます。

まあでも、同じ脱ぐなら子役時代にやっておけば「頑張った」という評価になって良いのではないでしょうか。大人になってから脱いでも「落ち目」のレッテルしか貼られないでしょうし。

投稿: 604 | 2009年8月29日 (土) 10時56分

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