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梶芽衣子&釈由美子

並べて書くと何だか似てますねお二人の名前。
一文字の姓と三文字の名という構成もそうだし、読んだ時の音の調子も似ています。まあ偶然に過ぎないでしょうけど。

共通点は「修羅雪姫」。ちょっと前に原作漫画を全巻立ち読みしたら結構面白く、ならばあまりにも有名な梶芽衣子様主演作品と、釈由美子ちゃんで作ったリメイク作品を併せて観てみようということで、DVDを借りました。

まあ、悲喜こもごもだったわけでございますが。

修羅雪姫 怨み恋歌


 

 

 

 

じゃーん。ちょっともう、美しすぎじゃありませんかheart02。「怨み恋歌」は、母の敵を次々と討ってゆく「修羅雪姫」の続編の方なのですが、キャストが濃いのにびっくりでした。

舞台は明治末期。
逃亡に疲れ、女囚として収監されようとする主人公を、馬に乗った謎のお多福仮面(複数)がさらっていきます。連れて行かれた先は怪しい洋館。これまた特撮の怪人並みにアヤシゲな紳士が待ち受けていて、娑婆に戻すかわりに極秘情報を探れと命ずるのですが、この政府要人が岸田森氏(眉なし)!期待を裏切らない悪者っぷりが素晴らしいです。

ひとまず条件を飲んだか、彼女が女中として入った先は貧乏作家の家。しかしここの主が伊丹十三氏ときてますから、絶対に何かあるに決まっています。おとなしく家事をこなす合間に極秘情報を探す主人公。情報が見つからない代わりに、旦那様が体の弱い奥様(吉行和子様)の足指や××や乳をしゃぶっているのを見たりとかする場面は、ある意味お約束でございましょうか(どんな)。

旦那様の外出のお供をする海老茶袴の主人公。梶芽衣子様の明治女学生姿virgoが見られるなんて感激ですlovely。旦那様は彼女を見込んだようで、あっさり極秘情報のことを話したり。

極秘情報というのは、貧しさにあえぐ一工員がたまたま起こした爆破事件を、国家転覆を狙う危険分子の存在に仕立て上げ、治安維持の名目で邪魔者を次々に闇に葬る口実にしていたという事実の証言(だったはず)。うわあ怖い。

監視していた警察がとうとう動きます。主人公に極秘情報を託して連行され拷問を受ける伊丹先生。もともとアウトローの人なので先生側につく主人公。拷問でボロボロになった先生を貧民窟の医者のところへ運ぶ奥様。この医者が先生の弟(原田芳雄氏)らしいのですが、あーそういえば冒頭で主人公を助けてた男だな。

結局先生は助からず、取り乱した奥様は警察に乗り込んで暴れて殺され、医者は書類をネタに首相を強請ろうとするも貧民窟焼き払いという返り討ちにあい、結局最後は踏みにじられまくった庶民代表として医者と主人公が神社に参拝に来た首相たちを斬り(もちろん最後に壮絶にやられるのは岸田さん)、結局残ったのは主人公一人、というお話。

ただの巻き込まれネタなので、巷の評価は主人公の怨み晴らしまくりな第一作の方が高いようですが、配役が絶妙だったし(予告編の惹句が「スラム街の恐喝屋 原田芳雄」「無政府主義者 伊丹十三」ですよ、そのまんまじゃん)、何より梶芽衣子姐様の着物姿とか蛇の目傘(=仕込み刀)とかがお美しいので楽しめました。早く前のも観てみようっと。

んで、釈由美子版。

……近未来かパラレルか、ヘンな時代設定で、主人公もなんかニンジャっぽい一族だった○| ̄|_
この時点でかなりテンションdown。だって、明治モノだから和風も洋風も(原作ではバッスルスタイルで殺しまくりとか)両方あって面白いんじゃないさー。肝心の修羅の部分もほとんどが仲間割れだし。

良かったのは最初の襲撃シーンくらい。

風のように現れ風のように去る暗殺請負集団というイメージは、まあいいですよ。六平直政・嶋田久作・松重豊という強面イケメンも揃ってるしねheart04

それから釈ちゃんの開脚キック、体が「」の字みたいになるキックが、日本人のアクションとしては素晴らしく決まっていました。さすがドニー甄子丹がアクション監督punchだけのことはあります。全体的に生ぬるさのないキレまくりなアクションimpact(&血飛沫)で、その点だけはフラストレーションなしgood

言い換えますと、その他は全部ダメダメってことに……。
古い一族なのに格好は傭兵風で、獲物も刀というよりでかいアーミーナイフ。趣きがありません。しかも残り少ない一族なのに、仲間割れして殺し合ってどうするんでしょうか。

大怪我をした釈ちゃんを助ける伊藤英明にも、まったく心を動かされません。手を怪我しているためにご飯を食べさせてもらう釈ちゃんがちょっとだけ萌えなくらいですが、食べさせてもらっているものが何かの幼虫なのでうげええsweat02

伊藤英明は家族を襲った人間を私刑に処し、その後反政府テロリストとなった人物で、結局最後には喋れない妹(真木よう子)とともにリーダー(佐野史郎氏)に殺されてしまうというワケの分からない役どころ。まあ伊藤はどうでもいいとして、佐野さんは岸田さんみたいに使わなきゃダメでしょう!変態感が全く不発じゃないか!
ちなみに真木よう子嬢はスッピンでゆったりめの服なので、ほとんど誰だか分かりません。

一応母の仇ということで、一族のリーダー嶋田久作をパッカリと叩き切った釈ちゃん、「一緒にこの国を出よう」と言っていた伊藤の所に戻ると兄妹は殺されており、絶望の雄叫びを上げるのが結構男らしいheart01……のはいいけど、結末を忘れてしまいましたcoldsweats01

まあもはやリメークですらないとは思いますが、梶版と比べると(比べていいのか)、主人公の生きる世界とか社会の姿がほとんど見えないのが、より非現実感を高めているというか、観ている者に何の共感ももたらさないというか。

結局釈ちゃんを楽しむ(化粧っ気のない激面とかアクションとか入れ墨の入った背中とか白ワンピ姿とか)以外は意味のない映画で。丹哥のキャリアに汚点を残していなければ良いですが、彼はやるべきことはちゃんとやってますからね。

梶版も釈版も、原作ほど脱ぎまくりではないだろうとは思っていたのですけれど(いや正直申せば若干は期待したのですけれど)、釈版はあまりにも観るべきものがないまま終わって呆然。似ても似つかないのに、リメイクみたいなタイトルつけんなよ!pout

この不快感はオリジナルの第1作を観て早く口直ししたいですね。特典映像の予告編がもうかなりきてましたから、大いに期待できそうな。

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コメント

梶版と謂うか「本物の修羅雪姫(笑)」は第一作しか観ていないんですが、柳生烈堂みたいな感じの西村晃に預けられた稚ない雪が暗殺者としての特訓を受ける場面で、西村晃の斬撃を躱してヒラリと宙を舞って着地したかと思うと、「着物がバラリとはだけて全裸になる」と謂う鬼畜な場面しか覚えていません(木亥火暴!!)。

あの場面の雪役の子は小学生くらいだと思いますけれど、昔の映画の現場は大らかと謂うか、鬼畜な所行が堂々と罷り通っていたのだなぁと感激しますね(笑)。

釈版の感想にはオレも異論はありません。ドラマの部分はダメダメですし、殺陣にしたところで、折角個性的な俳優を使っているのに、得物が全部パチモンの日本刀に統一されているんでは、全然面白くありません。甄子丹としては、基本は刀で場合に応じてその辺のあり合わせのものを武器に使うと謂うアイディアなんでしょうけど、剣戟物としての見た目の地味さは否めませんね。

仰る通り、全編を通じて釈由美子のハードボイルドなキャラが唯一の見どころで、「逃亡者おりん」にも通じるような「殺人マシーンとして育てられた非人間的な女性が、他者との触れ合いで人間性を回復していく」と謂うプロセスに萌えるくらいですね。初めてワンピースを着て戸惑う場面とか、やっぱりこう謂うキャラは釈由美子ならではですね。

あと、因みにラストシーンもワケワカメなもので、復讐を終えて一旦は剣を棄てた雪が、何故かラストシーンでは再び剣を手にして見栄を切ると謂う、どう解釈したものか困ってしまうようなラストだったと記憶しております。

投稿: 黒猫亭 | 2009年8月10日 (月) 20時36分

コメントありがとうございます。

釈版はそういうラストでしたか。あまりの酷さに記憶喪失になったかと思いましたが、もしかしたらどうでもよくなって停止ボタンを押したのかも知れません。2度観る気はしなかったので、さっさと封をして送り返してしまいました。

こうなるとやはり本物coldsweats01を早急に観ねばなりますまい。

そして、さすが黒猫亭様のオススメシーンは趣きがございますね。
いたいけな雪に苛烈な稽古をつける和尚様が、エロジジイ役では定評のある西村晃大先生だというところが大変結構なキャスティングだと思います。
原作がかなりなハード展開なので、子ども時代の雪の全裸くらいは出しておかないと、あのドロドロな雰囲気は醸せないのではないでしょうか。さすがに梶さんを脱がすわけにはいかなかったでしょうし……。

投稿: 604 | 2009年8月10日 (月) 22時33分

604 さんの記事を読み返していたら、実は続編のほうも観ていたことを想い出しました。結局主人公の雪は狂言廻しみたいなもので、貧民窟の連中と無政府主義者と警察権力の集団抗争劇だったような記憶が。

なんで忘れていたかと謂うと、この集団抗争が物凄くダラダラしていて、変なタイミングで警察が攻めてきたり、中途半端なところで引き揚げたりして緊迫感がゼロだったからですね。そんなふうにダラダラと小競り合いを繰り返しているので、最後の焼き討ちも今更感が強くて退屈でした。

結局正編続編通じて記憶に残っているのが少女時代の雪の全裸だけ、と謂うのが何とも言えません(木亥火暴!!)。こんな奴が児ポ法改正を云々しても説得力がないなぁ。

しかし、スポ根全盛時代の雰囲気を反映したこの場面の抱腹絶倒感はインパクト大でして、大樽に詰め込まれた雪が坂の上から転げ落とされたり、虎ロープで和尚と繋がれてチェーンデスマッチ紛いに打ち据えられて、「立て、立つんだ雪!」と叱咤されたり、真剣を構えた和尚に斬り掛かられるのを躱したり、どう考えてもあんまり役に立たない特訓の数々に爆笑してしまいます。

特訓の総仕上げとして、大樽に詰め込まれた雪が坂の上から転がってくるのを、和尚が真剣で真っ向唐竹割に両断すると、中から雪が「何処をどうやったらそんなことが出来るのかカット割りで胡麻化して」宙を舞いながら脱出しシュタッと着地すると謂う、これまた大爆笑のカットで回想シーンが終わって、母の墓前に額ずく雪が「やっとここまで来ました…」としんみり心中に呟くと謂う、何とも言えない描写になっております。

大真面目に芝居している梶芽衣子には悪いんだが、想い出しているのがそんな抱腹絶倒の過去なんで、どうしても笑ってしまうのですよねぇ(笑)。

一応申し添えておきますと、斬り掛かられた女性剣客の着物がハラリとはだけ、全裸になって反撃すると謂う段取りは、昔のお色気劇画やくノ一物なんかによくあった流れではあるんですが、この場合は演じているのが子役さんだと謂う鬼畜感と、着物がはだけるカットの撮り方が「どう見ても両側からテグスで引っ張っているようにしか見えない」無理無理さ加減で、何だか今見ると安田大サーカスの団長さんにしか見えない辺りが反射的に爆笑を誘うのですねぇ(木亥火暴!!)。

投稿: 黒猫亭 | 2009年8月11日 (火) 05時43分

>>抱腹絶倒感
>>大爆笑

これ、わかる気が致します。
原作漫画からして「いや、コレはどうなの」的な場面は満載で、それを実写でやってしまうのですから……。時代が時代だっただけに仕方ないか、みたいな部分はありますね。

70年代あたりの映像作品全般に言えることではないかと思いますが、当時は結構真面目に作っていたはずのものが、あまりの感覚のズレに笑いを禁じ得ない、ということは結構多いですよね。

今ならネタにしか見えないような映像が、当時は素直に驚きや感動をもって受け入れられていたなら、時代の変化や感じ方の変化は思ったより大きいものなのかも知れません。

特典映像に梶芽衣子インタビューが入っていたのですが、「撮影が終わってから自分の作品を観ることはなかったけれど、でも(DVD発売記念で)せっかく頂いたんだから観てみようかしら」とおっしゃっておられました。

……あらためてご覧になると、びっくりするでしょうねえ。

いよいよ明日あたり、抱腹絶倒が観られそうですheart02

投稿: 604 | 2009年8月11日 (火) 22時22分

リメークってなに?

投稿: BlogPetの鶴見川萬寿之助 | 2009年8月18日 (火) 13時59分

>鶴見川萬寿之助さん

うんうん、リメークをしらないんだね、オジサンが教えてあげるよ。リメークというのは、一度つくったおもしろいお話をもう一度つくりおすことなんだよ。そのままでおもしろいものをわざわざつくりなおすんだから、たいがいの場合はおもしろくなくるんだけどね(笑)。

投稿: 黒猫亭 | 2009年8月18日 (火) 17時07分

すすすすすすみません、またまたウチの亀とおたわむれ下さって……coldsweats02

届いたDVDを開ける暇もなく、ばたばたと旅に出ており失礼申し上げました。

なんとか自宅に戻ってきましたので取り急ぎご報告コメントをば。洗濯物を片付けたら落ち着くと思います。

投稿: 604 | 2009年8月22日 (土) 16時09分

>604さん

おかえりなさい。いや、お訪ねしたらご不在だったものですから、そちらの萬ちゃん(勝手に愛称を附ける(笑))とちょっと遊ばせてもらいました。

最近は段々言葉を覚えたようで、薄気味の悪いことは言わなくなりましたね(笑)。それはそれで好いんだけど、何だか物足りません(木亥火暴!!)。

投稿: 黒猫亭 | 2009年8月24日 (月) 02時08分

いつもお構い頂きありがとうございます。

そうですね、なぜかあまりぶっとんだことは言わなくなりました。別に成長したりとか常識をわきまえたりとか、マトモになる必要もないのですけれど、亀なんだしcoldsweats01

投稿: 604 | 2009年8月24日 (月) 08時18分

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