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「バンデラスと憂鬱な珈琲」

芝居ネタが続きますが。
しかもカテゴリーが「文化・芸術」……smilesweat02ま、「芝居」を新設するまでもないと思うんでお許しを。

シス・カンパニー公演 「バンデラスと憂鬱な珈琲」

Banderas

出演: 堤真一 高橋克実 小池栄子 村杉蝉之介 中村倫也 高橋由美子 段田安則

作: 福田雄一/マギー

演出: マギー

於: 世田谷パブリックシアター

チケットぴあからのメルマガでキャストを見て、しかもコメディだというので即ポチ。つまり堤・高橋(克)・段田・マギー買いでございました。

シス・カンパニーには気になる俳優さんが揃っておりますが、特に今回は堤真一、高橋克実、段田安則の3人が笑いを取るわけですから、これは面白そうだぞと。

そしてホンと演出にマギーとあったのが決定的ですかね(福田さんの方は知らなかった<(_ _)>)。この夏ハマった唯一のドラマ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(←「こち亀」でいいじゃん……)の脚本担当だったのを珍しく憶えてまして。くっだらねーことを一生懸命やってる感じがまるでかつてのドリフを観ているようで、お気に入りだったんですよ「こち亀」。

結論としては、期待していたものが与えられた感じで満足でした。今は何というか、体が笑いを求めているので、真面目な劇だとたぶんツラい。

久々の芝居、初めての劇場。ブランクはありますが、ワクワク感が懐かしい。

幕見席か天井桟敷かってな席も、おかげで舞台がまるっと見えました。俯瞰するので装置全体がよく分かります。至ってシンプルな造り。

オープニング、スクリーンに出演者の名前が次々投影されて、映画仕立て。初めて見たけどなかなかカッコいいです。これは転換やエンディングにも使われて、区切りとしては大変効果的かと思いました。

ファーストシーンはベッドに女、そして軍人。生高橋克実サンshineだ~~~←一瞬カッコよすぎて誰だかcoldsweats01。最初の笑いが出るまで緊張したーbomb

次のシーンで主役の交渉人、生堤はんheart01登場。しかしいきなりウンコネタ(=珈琲の薀蓄)。

そしてその次に大統領段田さんheart02!生段田さんはかれこれ20年ぶりだあ。おとぼけキャラだが、さすが一番声の通りが良かった。まあ20年前の芝居に比べたら、セリフは1/8くらい、動きは1/30くらいだもんな

残りの4人も予想以上(といっても中村倫也は知らなかった)で、セリフも動きも3人に引けを取りません。ああ、最後の方で村杉蝉之介が「何言ってるか分からなかったぞ~」って突っ込まれてたけど……あれアドリブだろうか?(3~4回観ないとその辺は判別できない)

話は「飛び立った爆撃機を呼び戻し、戦争を回避。交渉人はこれを12時間以内に遂行せよ」というものなのですが、さっそく列車で発とうとする主人公が駅の入り口を通してもらえないところから、ああ、これは「なかなか前に進めない」コントなのだと分かります。窓口に並んだ主人公の前に老婆がいるだけで、もうどうなるか予想がついて笑ってしまう。
うーん、結局はこれもドリフってことかしらん。

足止めコントゆえ主人公はありとあらゆる足止めに遭うわけで、その足止めがどんどんエスカレートしていくのがオモロイのですね。最後の方なんか何が何やらhappy02happy02happy02。でもぽんぽんと投げておいた球は最後までにちゃんとキャッチされるので、気持ち悪くはないです。
でもって、やっぱりコントの締めはジャンボマックスかい!という。

無事任務を遂行した交渉人が、故あってミュージカル「マクベス」に出演するラスト。キレよく舞い踊り、朗らかに歌う堤真一は最高でした(でも歌はちょっと苦手か?)。

お客がややおとなしめな気がしたけど、昼公演だったからかも知れないし、私が図々しいからかも知れない。(普通に掛け声とかあるかと思ったsweat02空気読んで自重しよう)

その他ピンポイントでウケたところ。爆撃機内バグス軍曹(堤。何か妙にエロい)、空軍基地付近キャッツアイ(←名前忘れた。小池の無表情なポージング)、最後の方の大統領&その側近(段田ほか。会議中お菓子を食べて粉を吹く)、堤さん段田さんの関西弁シーン全般(歯止めが利かなくなる感じ)。

うん、今の気分に合ってて面白かったです。

※追記
マギーさんのインタビュー見つけたのでメモ的に貼っておく。

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コメント

>>くっだらねーことを一生懸命やってる感じがまるでかつてのドリフを観ているようで、お気に入りだったんですよ「こち亀」。

「こち亀」は「香取慎吾でコケた」と謂う理由で糞味噌に言われていますけど、あれはどう作ってもあんなもんでしょう。普通に原作をドラマ化すればああなるのは当たり前で、寧ろTBSらしく真面目に作っていたと思いますよ。

当たらなかったのは、別段ドラマが糞だったとかそんなんではなくて、もっとマーケティング的な理由じゃないかと思いますけどね。ちなみに、オレは勿論香里奈目当てで観ていましたが、録画だけして観ない回もありましたね。

好きなんですよ、香里奈のマンガみたいな芝居がとくに(笑)。そんな態度で観るのが妥当な番組だと思いました。

>>「飛び立った爆撃機を呼び戻し、戦争を回避。交渉人はこれを12時間以内に遂行せよ」

状況設定が何かに似ているな、と思って詳しい粗筋を検索してみたら、やっぱりこれは「博士の異常な愛情」のパロディなんですね。役者が一人で何役も演じると謂うのは、演劇ではよくある趣向とはいえ、多分ピーセラのパロディでしょうし。

いろいろ調べてみると、なんか一流ネゴシエーターのはずのバンデラスの説得のプロセスを省略しているとか言って不満がっている人もいましたが、604 さんのレビューを拝読すると「そんなんちゃうねん」と謂う話じゃないかと謂う気がしますね(笑)。

まあ、世の中には「スカし」の笑いが嫌いなさんまみたいな人もいますから、「なかなか前に進めない」コントと謂う「型」がわからないとそう謂う感想にもなるのかもしれません。

状況がスムーズに運ばないことそれ自体がおかしいと謂う感覚がわからないと、説得と謂う美味しい対話劇の芝居場を何故省略するのか、狙いがわからないと謂うことでしょう。主人公のスキル自体はマクガフィンで、どうでも好いから省略したんだと謂うことですね。

投稿: 黒猫亭 | 2009年11月 8日 (日) 12時17分

わ、コメントありがとうございます!

香取慎吾も香里奈ももこみちも全く好きな役者ではなかったんですが、「こち亀」で俄然好感度アップしましたね。マンガのキャラになりきるというのは、やるとなると結構大変だと思うのですよ(動きのデフォルメとか)。それをかなり頑張っていたので見る目が変わりました。

特に香取慎吾のスイカの食べ方なんかがCGかと思うほどマンガ的で、初めて彼の演技を凄い!と感じました。

作る方としては相当手の込んだことをしているはずですが、こっちはのんきspaに楽しく観ていられるので、そういう意味でとってもいいドラマだったと思います。

>>やっぱりこれは「博士の異常な愛情」のパロディ

なるほど、そうでしたか!何だか安楽椅子探偵のようでいらっしゃいますね、黒猫亭様は。

恥ずかしながら映画を観ていないのですが、いくつか画像をあさってみますと、爆弾の柄や会議室の感じが、舞台装置に似ているように見受けられます。また、全く手前勝手な理由で爆撃命令が出されたり、大統領やら軍上層部やらがいい加減で無能だったり、というところもよく似ていますね。

ただまあ、それは緊迫した情勢という設定のための借り物で、本筋は主人公が時間をロスしてしまう状況とか反応とかを面白がるものなんだろうなと。「米軍随一の交渉人」でありながらぐだぐだになっていくプロセスがひたすら笑えるわけで、最後に任務は果たすんだし交渉のリアリティなんかいいじゃん、と思いましたが(そうじゃない人もいるんだcoldsweats01……)。

マクガフィンという言葉は知りませんでしたが、「お約束」と考えれば良いのでしょうか。うーん勉強になります、ありがとうございます。

投稿: 604 | 2009年11月 8日 (日) 22時48分

>604 さん

>>香取慎吾も香里奈ももこみちも全く好きな役者ではなかったんですが、「こち亀」で俄然好感度アップしましたね。

あんなもんですよね。まあ両さんがあんだけでかいと謂うのは違和感がありますが、中川も麗子もでかい人を連れてきてますしね(実際には麗子のほうが両さんよりでかいはずなんですが)。もこみちの棒読み演技には定評がありますけど(笑)、元々中川ってキャラ自体棒読みで喋っているようなイメージがありますし。

香里奈は何故かカバチタレの頃から好きなので、まあ出演作は自動的に視聴対象として検討するんですが(笑)、地顔が無表情なのでこのくらい極端にマンガ的な役のほうが可愛いです。

なんかこう、かねてから世間の「こち亀」叩きには納得の行かないところがありまして、数字が悪かったのはドラマの出来とは関係ないじゃんと思ってました。単に、あの枠で、香取で「こち亀」と謂うコンセプトが外していただけじゃないかと。

幾らなんでも、香取のキャラクター物と謂うコンセプトには視聴者も食傷気味で、すでに飽きられつつあると謂うだけのことなんでしょうね。ドラマの出来だけ視たら、土曜日の晩に漫然視聴して笑ってちょっと泣くと謂う、物凄くオーソドックスな作りになっていたと思います。そもそもあの枠って、昔はドリフの「全員集合」をやっていた枠ですし(笑)。

>>何だか安楽椅子探偵のようでいらっしゃいますね、黒猫亭様は。

そう言ってくださるのは604 さんくらいですなぁ(笑)。かねてから、ウチのブログは探偵物なんだと半分くらい本気で言っているんですが(笑)、それを言うとみんな目を逸らしてしまうので(笑)。

>>ただまあ、それは緊迫した情勢という設定のための借り物で、本筋は主人公が時間をロスしてしまう状況とか反応とかを面白がるものなんだろうなと。

意匠として借りた、と謂うことなんだろうと思いますけどね。本質がコントだと謂う見方は正しいんじゃないか、と思ったものですから、観てない舞台の話に絡んでみました(笑)。

なかなか前に進まないコントで、仕込みが見えているともうそれだけでおかしいと謂う感覚はわかりますので、そう謂う狙いのシナリオだと謂う見方が妥当なんじゃないかと思いました。

>>マクガフィンという言葉

ちょっとこの場合の使い方は妥当だったかどうかわかりませんが、ヒチコックの言った言葉で、「物語を進める為の口実になるもの」と謂うほどの意味です。

たとえばスパイ物なら密書だし、泥棒物なら高価なお宝ですね。物語の構造上必要なのは密書の争奪戦それ自体であって、密書の内容はどうでも好いわけです。「エロイカより愛を込めて」のマイクロフィルムとか機密情報なんてのは典型的なマクガフィンですね。スパイが取り合うものであれば何でも好いわけです。

この場合、バンデラスが米国一のネゴシエイターだと謂う設定はそれほど重要な意味がなくて、刻限までに何処かへ行かなければならないのに行く先々で足止めされる状況それ自体が骨子なので、一種のマクガフィンと謂えるかな、と思いました。

投稿: 黒猫亭 | 2009年11月 9日 (月) 05時40分

「こち亀」はコケたことになってるんですかcoldsweats02

>>昔はドリフの「全員集合」をやっていた枠ですし(笑)。

ですよね、「こち亀」は毎週冒頭だけ生放送でしたが、あーこの感じドリフが始まる時みたい~と思っていたんです。狙ってやってたのでしょうかね。

毎週生出演も出ずっぱりアクションも、いい年になってきたのによくやったと思います香取慎吾。しかも大作のリメイクだと大御所の目(堺正章とかラサールとか)もあるから、プレッシャーも生半可じゃないでしょうし。
それに、やはり主要キャラのキャスティングは絶妙でした。

何かすごく擁護してるみたいですが、あれだけ面白かったのに数字が悪いというのが意外でweep

>>ウチのブログは探偵物なんだと半分くらい本気で言っているんですが(笑)、それを言うとみんな目を逸らしてしまう

え、ここは目を逸らしておいた方がいいんでしょうかcoldsweats01

探偵のようだというのは、一連の落語の記事などを拝見していますとかなり本気でそう思いますけれど。それに、観てない芝居の謎解きをここまでなさる方というのもそうはいらっしゃらないですよね。

投稿: 604 | 2009年11月 9日 (月) 15時00分

Thank you very much for sharing your thoughts! You’re right it does take some time to notice things to compliment on but it really is worth the effort!

投稿: height increasing insoles | 2013年8月12日 (月) 01時59分

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