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「カラフル」 黒い歴史もきっと彩り

珍しく小説を読みました。

カラフル (フォア文庫)

ちょっと手に取って読み始めたら止まらなくなり最後まで、30分くらいで。その世界に引き込まれることが創作に対する私の評価基準の一つであるので、その観点からすれば面白い小説であったと言えましょう。

児童文学(いや、ヤングアダルト?よく分かりません)のくくりに入るようですが、癖のない文章と複雑すぎないストーリー(はて、なぜ打ち消し表現なんだ)のおかげで、主題が鮮やかに提示されます。物語の構成においてはコレ結構大事かも。長さも、30分で一気に読めるくらいだから、個人的には集中が途切れないちょうどいい分量でした。

粗筋を書くとネタバレになるので、ざっくりと申しますと、

思春期のエロスとタナトスな感じがよく出ていていいなあ、と(意味不明happy02)。

主人公が死んでいる人間(魂か)で、全ての記憶を失っている、という設定が上手いです。とりあえずすべてのくびきから離れているので、読者が感情移入しやすい気がします。

死んだ人間が期間限定的に他人として生き直す(←誰だか知らない死者の体の中に入る)中で、体の持ち主の日常に行き逢う人、目に映るもののさまざまな姿を知り、ついには自分を知るという……ごにょごにょ。

思春期にある閉塞感なんかもよく表れているのですが、体の持ち主など知らない主人公の、一歩引いて(ある意味他人事、無責任に)見ている感覚が、その息苦しさから抜け出すヒントなのかもしれないと思ったり。

そんな風に他人の生を生きるうち、目で見たはずの事象も、単純で一義的な判断は本当じゃない、実は多面的で割り切れない複雑なものなのだ──という、少し大人っぽい視点に気付くところが、タイトルの「カラフル」につながっているのでありましょう。少し世界が分かり、自分にも気付いたところで、物語は終わり。

ずいぶんと面倒なこともあるけれど、生きるって悪くないsunと思える読後感です(心がいまだ思春期だからかなvirgoエヘ)。

奥付を見ると結構なロングセラーで、しかも帯には「今夏アニメ映画が公開!」と。そろそろ映画館で予告編も見られるようですが、何となく原作から受けるイメージと違うので劇場に行くかは微妙なところ。ま、あの「トロッコ」映画版ほど原作から離れはしないと思いますが…。

「カラフル」公式サイト

ところでコレが2度目の映画化なんですね。というのは調べてて分かったのですが、最初は実写映画で、2000年公開。

しかも主演が田中聖。あり得ないcoldsweats02

2K問題で世界中が揺れる中、やけくそあるいはどさくさ紛れに製作されちゃったのでしょうか。

「カラフル」DVD

キャストはそこそこ有名どころが揃っているものの、それにしても微妙。阿川佐和子と筧利夫の不倫……見たいような見たくないような。レビューは概ね批判的、田中聖ファンが彼の若き日を楽しむ以外意味がなさそうです。

私も田中聖は「マイボス」のカズと「仕事人」の匳しか認めてないので、とても観る気にはなれませんshockすまないねえ。でも「必殺仕事人2010(仮)」は楽しみにしてるから!

映画はなるべく原作に忠実に作って欲しいものですが、ただ映画がどれだけコケようと原作の良さは変わらないので、いろいろあってもまあいいんじゃないのというお話。

※追記
肝心の本のリンクを入れ忘れてたので挿入しましたsweat02

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投稿: BlogPetの鶴見川萬寿之助 | 2010年4月30日 (金) 15時19分

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