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革命とキャストについて思う「孫文の義士団」

以下、個人的鑑賞ドキュメンタリーbomb全編これネタバレimpactですので悪しからず。

ネットは普通に覘いていましたが、特にネタバレにも気づかず(幸せ者sun)、ほぼ白紙状態で劇場へ。R15+表記にちょっとビビったけど、これはまあ、見たら納得。

キャストなんかも若干漏れ聞いたりしたものの、敢えて追求せずノーチェックでしたので、誰がどの役とかどこに出てくるとか、全く知らぬまま本編に突入しました。

洋風建築のスケルトン階段(曲線の装飾と折り返すシルエットが仰視されて美しい)を降りてくる、長衫の人物。

うわあ華洋折衷だ~heart02heart02heart02…とこの組み合わせが思いっ切りツボるのは、当然「黄飛鴻/ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明」の刷り込みに因るものです。「孫文の義士団」はこの10年後くらいの話ってことになるのかな?ならまだ黄師父ご存命だったり?

と、それはおいといて。

階段を下りて、若人たちに囲まれている温厚そうな人物。目のキラキラした娘っこに民主社会の実現について問われると、彼女の頭を撫でながら「君たちの時代には…」と穏やかにお答えになりますが、次の瞬間、銃弾が彼の頭を貫きます。

ああああsign01 Bullet in the Headsign03

おじさまはやはり學友先生でしたか…sweat02
(関係ないけど「喋血街頭」Wiki英語版の映画ポスター、あんまり過ぎる…)

民主化を語るものには命の危険が付きまとう、そのことを一瞬で教えてくれるシーンでございました。

香港島を海から望むカット。それがどの時代でも、胸に迫るものが。

裕福な家の食事風景。伝統的専制的な家長たる父と、米国の大学に入学が決まった息子との対比も、時代を感じさせます。でもこのパパン、懐中時計をお持ちなんですよね。「黄飛鴻2/ワンス…天地大乱」で、孫文先生と仲間の陸さんが懐中時計をよく見ていたシーンを何となく思い出したり。

裕福なので息子留学壮行祝賀パーチーをやってたのかな?(うろ覚えcoldsweats01
とにかくめでたいということで、使用人(お抱え車引き)に命じて、貧しい人々にも幸運のお裾分けとして米を配ってます。この辺、パパン=リーさんの大物感が漂います。

そこでインテリ洋装眼鏡男=新聞社社長やら、ちょび髭小男=警察の偉いさんなんかも登場。エリックさんは顔とサイズですぐ分かったんだけど、この時点で私、この社長が誰だか分かってません。あ、それから猿のような謎の男もお屋敷に忍び込んだりしておりますね。こっちはパパンの若い綺麗な奥さんに懸想している様子。

折りしも「孫文来港」の報せに風雲急を告げる香港。支持派は希望を抱くと同時に危険が及ぶことを予想、反対派は千載一遇のチャンスと暗殺を企てます。ひいい。

暗殺を危惧したインテリ洋装眼鏡の新聞社社長、力を借りようと知り合いの芸人一座(うろ覚え)のところに出かけていくのですが、会うなり座長が「もう遅い」と。

て、敵襲ーーーーshocksign03

朝廷の特殊部隊が殺戮を始める中、座長は自分の娘を気絶させ、布でくるんで隠します。それよりもこの座長=ごま塩ひげの濃い顔のおじさん、見たことあるなあ。
まさか、や(←動きが速くて確認できない)
もしか、やm(←アクション激しく確認できない)
(鎖鎌に捉えられ止まる→)やっぱ任達華じゃんsign01何このアクション凄!coldsweats02

結局生き残ったのは娘だけ。社長は行方知れず。社長の書置きを見て駆けつけたリーさん、並ぶ遺骸に呆然。

社長は生きて暗殺集団のアジトに捕われていた。眉なしのリーダー格の男に、あなたの元教え子ですよ先生(教師時代があったんですね)と言われて驚くんですが、それはそうとこの社長、喋る声が妙に高い。この声、まさか……

梁家輝…なのsign02

誰この河野太郎みたいなおっさんとか思っててごめんよう~cryingずっと白皙細面の美青年ってイメージがあったもんで…。あ、眉なし男はすぐに胡軍って分かりましたよ。鼻の形が可愛いからheart01

香港に孫文支持者は少なくないものの、政府警察からは厄介者扱い、来港はかなり危険bombという状況を案じたリーさん、自ら護衛の人材をリクルートへ。しかしこれが本当に寄せ集めSPな感じでsad

お抱え車引き・座長の娘・臭豆腐売り・身分の高い謎の乞食・猿のような男(これは奥様がリクルート)…

猿のような男は、あまりにも小汚いわいいとこないわで、薄々誰だかは気づいたのですが信じたくなかったというか。しかし隠し切れない肉体美を誇る甄子丹様だと確信してからは、逆にいつまでくすぶり続けるのかが楽しみになりました。

一方、身分の高い謎の乞食、このお方がまるっきり最後まで誰だか分からず。リーさんに「若君」と呼ばれるも、阿片窟に出入りするまでの落ちぶれっぷりがいかにも訳あり風なのですが…誰なんだ。私の知らない大型新人(若くないけど)のヒト?coldsweats01

社長が唐突なハラキリhairsalonで暗殺集団のアジトを脱走、生還。彼とリーさんは現状を判断し、「孫文先生を護衛」から、「孫文先生の影武者を立てて時間稼ぎをし、間接的に護衛」へと戦術をシフトします。時間稼ぎは1時間。

そして立て続けに、あからさまな死亡フラグmotorsportsが。

「あさって結婚しよう」
「父を埋葬しに故郷へ戻る」
「逃げてきた少林寺に帰るんだ」
「もう苦しむこともなくなる」

これが終わったら大喜利」じゃないんだからweep

肝心の影武者選びは民主的に、新聞社社員全員でクジ引き。ところが当たりを引いたのは、紛れ込んでいたリーさんの息子。慌てる社長。特権階級ではないと譲らない坊ちゃん。そらやり直しはできませんよね…sweat02

いよいよ孫文先生来港して、作戦に突入。先生が乗っていると見せかけた俥で街中を流す、長い長い1時間の始まり。迎え撃つ暗殺集団。おおむねここら辺りからのシーンがR15+の所以かwobbly

1分1秒を稼いで1時間につなげるため、捨て身の戦いで次々と命を落としていく護衛陣。もう見ているだけで痛い。壮絶。凄惨。怖いよママ~crying

そんな中、奥様ルートで遊軍的に護衛に加わった猿のような男がいよいよ本気を出します。建物の軒下の人でごった返す中を全速力で移動するなど、さすがゴリー・イェンというかアイアン・モンキーというか。暗殺集団の副リーダー(?)との死闘が凄まじいです。

味方が力尽き、孫文の母上のお家に逃げ込んだところで、多勢の敵を一手に引き受けるのが、謎の乞食改め鉄扇王子。髭を剃って多少こざっぱりとはしたが、その鉄扇と武侠オーラ、いったい何者なんですか貴方。

王子、神がかり的な強さを誇りますが、いかんせん数には勝てない。眉なしにやられ華麗に息絶える瞬間、女性の幻が…ああ、これが道ならぬ恋のお相手でしたか。それにしても一人だけ浮世離れした人だったなあ。

1時間まであともう少しと逃げる社長たち、馬で追う眉なし。そこへボロボロになった猿のような男がふらふらと。

霞む意識で、妻(=リーさん奥方)と幼い娘と自分、3人の幸せな姿を夢見るのが切ない。「娘には本当の父親の名を告げる」と元妻が約束した、それだけのために、立派な父親だったと言われるために戦ったんだねweepしかしその体でどうするのと思いきや猛然とダッシュ、

馬に激突したあああぁぁcarouselponysign03

こんなの見たことありません……shockさすがドニー、馬殺しとは半端ない最期。が命を懸けた足止めも眉なしは落馬しただけ、社長と坊ちゃんにひたひたと迫る。

ようやく1時間経過しようというところで追い詰められる俥。彼は孫文じゃない影武者なんだもう終わったんだと社長が明かしますが、聞く耳を持たない眉なしは俥の中の人物を確認もせずメッタ刺し。社長に銃で撃たれ「やりましたよ先生」と満足げに死んでゆきます。

遅れて来たリーさんは掌中の珠だった息子の亡骸を抱いて悶え泣き。やっと、やっと1時間経ったのに。

親が子供の命を失い、先生が生徒の命を奪う。やりきれない二組の姿です。そしてこの1時間の攻防を知るや知らずや、香港を去ってゆく孫文先生……。

くうっ、これが革命か、ここまで犠牲を払わねばならないのか、社会を変えようとするときこれほどの覚悟ができるだろうか、などと思いながらどんよりとクレジットを眺めていたら、目に飛び込んできた黎明の文字。

sign02どこにsign02ってまさか、あのお方sign02
あの、囚われの武市半平太的大森南朋を少しだけ谷原章介寄りにモーフィングしたような鉄扇王子は黎明でありましたか。一体何があったんでしょうかcoldsweats02

──と、ここまでパンフレットを我慢しつつ、記憶のみで書いてみました。やっと解禁~。

うっ、眉なし胡軍とごま髭サイモンは共に朝廷の将軍だったのか、気づかなかった。素で芸人だと思ってたよ。影の軍団は500人とか書いてある。まさかそんなにいたとはsweat02でも特撮じゃないけど敵は無限に沸いて出るような感じがするから同じようなもんかも…coldsweats01

あの100年前の香港の街は全部セットだったのかー!書き割りとかCGとかじゃないんだ。公式サイトの「特別動画」に、セット建設映像発見shine。これこのままテーマパークにして欲しい…heart01

そして費やされた労力。なんとあのレスリー・チャンこと張國榮様にまで出演オファーが行っていた、そんな昔からの構想だとは!そのモチベーション、その執念。で、幾多の苦難を経て辛亥革命100周年に公開されているのですから、結果オーライ万々歳ってことですかしら。

それにしてもいつも思うんですが、中国で革命ものがわりとフリーな感じで作られているのは何故。見る方はどうしても今の民主化運動と重ねて考えてしまうのだけれども。現代の運動はあれだけ弾圧されているというのに、題材が孫文ならいいのか。彼の革命で清朝が倒れた結果の理想郷がこの中華人民共和国なんですよ~んというスタンスなのだろうか。私このへんが全然分かってないかも。池上さんのそうだったのか!中国 でも読まねばなりません…despair

しかしこの映画、あちらではレッドクリフを超えたそうですが、日本ではどうなんでしょ。

歴史の裏話物として凄くいいんですが、メインキャストが「ドニー・イェン/レオン・ライ/ニコラス・ツェー」って、ちょっとこう、微妙にマニアックsweat02(しかもこの3人、「猿男/乞食/車引き」ですよ)。知名度と桁外れの死にっぷりからドニーさんが中央で大きく写ってますが、映画の半分以上ダメ男で、いつドニーアクション出るの?というフラストレーションも…coldsweats01

せめて、鉄扇王子のレオン・ライさんがもう少し綺麗だったら。公式のインタビューを見ると、リアリティを徹底追及したようなのですが、ムリに糞尿ゴミ虱まみれにしなくとも。最後にあの人間離れした戦い方をするのであれば、髭剃ったら突然crown髪サラサラお肌ツルツルshineでも誰も怒らないと思いますdespair

「義士団」という邦題も本編と少しズレている気がしないでも(その意味では真の主人公はリーさん親子じゃないかと)。孫文が香港に来る、その時その場所に居合わせた者たちが、それぞれの人生を抱えながら歴史に巻き込まれ…みたいな感じでしたので。むしろ原題・英題の方がしっくりくる。

革命の下に横たわる無数の死を思いながらも、またまたセンス・オブ・浦島太郎が発動して、手放しで泣けなかったのが残念な作品でございましたweep

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コメント

自己レス。

「馬に体当たり」は「レッドクリフ」で張飛がやってた。あちらはかなりマンガ的というか作り話的な感じで受け止められたからいいんだけど、「孫文」は一応リアルに作ってある様子なので余計に怖かったの。

熊殺しウイリーならぬ馬殺しドニー…shock

投稿: 604 | 2011年6月17日 (金) 10時09分

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