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20年ぶりに「ワイルド・ブリット」を観た

香港電影天堂Special

銀幕で広東語の香港映画を集中砲火的impactに絶賛鑑賞ちう。こんなに映画館に通うのは学生の時以来かも。

私にとっての香港映画と申しますと、まさにこのあたりのラインナップなのですね~。ああ懐かしい。しかしその後空白期があって、最近はすっかりついて行けてません。若い子は皆同じ顔に見えるしのう。

さてこのジョン・ウー作品「ワイルド・ブリット」ですが、過去の手帳を繰ると「8月17日 喋血街頭初日」と書いてあり、私、どうやら香港で公開初日に観たようです。新聞にも全面広告が載ってて、何か盛り上がった記憶upが…あるようなないような。

どこの映画館で観たのか思い出せませんが(半券がどっかにあるかも)、香港人の皆さんとともにわくわくしながら劇場に入ったのは憶えています。やっぱ映画は劇場で大勢で観るのが楽しいんですよねえhappy02

再会するのは多分それ以来なはず…この作品に限ってはビデオ借りてないと思うし。

以下、懐かしポイントの感想などを、かいつまんで。

ちょっとウェストサイド物語を連想させるアメリカンカルチャー満開t-shirtribbonnoteな幕開けですが、このファーストシーンとラストシーンの落差が凄いんだsweat02。舞台は同じ香港なのに。

ベン(トニー・レオンさん)、女の子とダンスをしたり不良グループとケンカしたり、のちょっとやんちゃな普通の若者。水で濡らしてリーゼント風になでつけた髪を、ママンに「エルヴィスにはなれないわよ」と言われると、くしゃくしゃっと崩してニコッと笑うその笑顔が…

か、可愛すぎる…!heart02heart02heart02

友人のフランク(ジャッキー・チュンさん)もストレートな健気キャラで可愛いんですが、乱闘シーンで目を剥いたりする顔がちょっとアブないですね。もう一人の友人、ポール(レイ・チーホンさん衝撃の増毛姿)は温厚で礼儀正しく成功を夢見る青年(でもあまりにもヅラで笑いを禁じえずcoldsweats01)。

自転車で競走する3人のシーンはすごく青春っぽくて心躍るのに。テーマ曲も優しく切ない旋律なのに。

見切り発車的に結婚することになったベンのために、金策に走るフランク。敵対グループに虎の子を奪われそうになりながらも体を張って死守、結婚式に駆けつけます。ベンは喜ぶものの、怪我に気づいて友の苦労を知り涙目、そして花嫁を置いて報復に走ります。

ウー先生作品はこういう男の友情シーンが光るshineshineshineのですが、すぐバイオレンス三昧になるのもその持ち味。エキサイトし過ぎた結果、運悪く相手が死んでしまいます。

警察(先生また刑事やってるsweat02)に追われるベンとフランク。ベトナム戦争での儲け話を聞いていたポールのつてで、高飛び兼運び屋としてベトナムに向かう3人。

しかしサイゴンに着くやいきなり混乱に遭遇、届けるはずの荷物を失い、あわや命までもなくしかけます。香港でも労働紛争がありましたが、ここは戦渦のど真ん中。普通の青年たちが突然戦場に放り出される恐怖。

そしてこのあと、これでもかというくらいねちねちと戦争の怖さ、軍隊の禍々しさを見せられるわけでございます。平和主義者たるウー先生は、徹底的なリアリズムをもって戦争を描くことで観る者を辟易させ、好戦的な心を萎えさせる意図をお持ちなのだと、ようやく最近気がつきましたcoldsweats01そのための火薬・銃撃・血飛沫なのです、うん。

サイゴンのナイトクラブ(あっ、ここの名前忘れてしまった!BetterTomorrowだっけ?)。ブツを渡す相手の顔役やら、彼に客を取らされている香港の歌姫やら、いろいろな人種が入り乱れているのですが、特筆すべきは仏港ハーフと紹介され、「枯葉」mapleのメロディに乗って白いスーツで颯爽と現れるクールな殺し屋ルーク(サイモン・ヤムさん)drama

ぶえへへへ!!!happy02happy02happy02

フランスを匂わせたいベタな演出に、20年前も吹いた憶えあり。仏人ピアノ弾きに「ハバナ?」と葉巻を差し出し、代わりに銃を受け取って殺しをするんですね。この気障な「ハバナ?」を真似してしばらく友人と遊びましたっけhappy01

いや、望郷の歌姫を自由の身にしようとする情の深さといい、一人軍隊となってベトコンと戦う強さといい、カッチョイイ役どころなんですよホントheart04

金を手にするやみるみる守銭奴と化すポール、終わりなき惨劇に正気を失いかけるフランク、この二人に比べると己を保っていられたベンは心が強い人なのでしょう。軍に捕らえられ手を血に染めても、友を守ろうとするのですが。

戦闘の混乱の中、強欲ポール(ヅラ水濡れ注意)は足手まといのフランクの頭を撃ち、ついでに非戦闘員の村人に銃を乱射し船を奪ってひとり逃走。そこで子どもを庇って死にかけたベンは坊さんに拾われて寺へ。ルークは怪我を負いながらフランクを連れて米軍ヘリで離脱。生き別れ、運命も分かれる3人。

寺を出たベンはルークを訪ね、ヤク中の殺し屋shockと成り果てたフランクと再会します。頭に撃ち込まれた銃弾のせいで2度と正気に戻らないと聞かされ、泣きながら友を射殺するベン。

香港に帰る人、あえて異国に残る人、帰郷を願いながら叶わなかった人。海外に出た人々の運命は様々…despair

香港の妻のところに戻ってみれば、いつ仕込んだか、男の子が生まれてます。息子を抱き上げて喜ぶベン、しかし彼にはやるべき事が。

折りしもポール(ヅラなし)が組織の後継者に選ばれた、その会議室へ乗り込んでフランクの頭骨shockを示し糾弾します。輝かしいshineトップに暗い過去が、何と外聞の悪い。

これで社会的抹殺=復讐完了と思いきや、このあと延々、ベンとポールのカーチェイス・銃撃・一騎討ちsign03冒頭の自転車シーンとオーバーラップさせ落差に泣かせようという意図は分かるのですが、こんな派手にドンパチやったらタダじゃ済まないでしょ…せっかく妻子と再会したのにさ…weep

何となく蛇足感。「男たちの挽歌」よろしく最後に悪いヤツを倒したはいいのですが、カタルシスの種類が違うのと過剰サービスで現実離れしてしまったのが、微妙なラストでした(と20年前も思った)。

しかも2時間越え。ぞろぞろと劇場からはけるとき、周りの方々も若干疲れていたように見えましたが…もう記憶が定かではありませんsweat02

ベトナム戦争・労働紛争(六七暴動というのだそうですね。ちょっと天安門を思わせる描写もあり)の圧倒的再現が、メインの3人の鬼気迫る演技と併せて、この映画の主な価値だと私は思っております。

ところで無残に壊れる幼なじみの友情というプロットには汎用性がありますが、あれ何か似たような話あったよなあ…と考えて思い出したのが、「天堂口(ブラッド・ブラザーズ)」。「ワイルド・ブリット」をスケールダウンして劣化コピーするとアレになりますねcatface

まそれはともかく、巨匠の名作を20年ぶりに楽しめましたheart02というお話。

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コメント

思い出した。
ナイトクラブの名前がBetterTomorrowだったのは、『特捜戦隊デカレンジャーTHE MOVIE フルブラスト・アクション』でした。

でもこっちが思い出せない~

投稿: 604 | 2012年10月20日 (土) 01時36分

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