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人斬り以蔵2.0、あるいは反魂の法

映画「るろうに剣心」公式サイト

東芝か何かのキャンペーンで当たったmovie舞台挨拶付き試写会shineが土壇場で行けなくなり…cryingひと月後にやっと観られましたthunderるろうに剣心thunder

漫画の実写化という点とキャスト・アクションに興味があったので、自腹を切っても(←ジャンル的に不吉…)観るつもりではおりましたよ。

実写化に興味とは申せ、実は原作よく知らなかったり。いや、剣心と薫の出会いのあたりは読んだような…そしてあー少年マンガだなあスーパーヒーロー物だなあジャンプだなあconfidentと思った記憶が。うーん、もう一度やほーぶっくすで立ち読みしてこよう。

というわけで、思い入れのある原作ファン的にどうなのかはわかりませんが、原作を知らなくてもひとつのお話として面白く観られたのは確かでした。「三国志」を知らなくても「レッド・クリフ」が充分楽しめるものであったのと同様に。

んで、まずは人物。

漫画から実写へのデフォルマシオンが巧妙です。時代考証無視wobblyな漫画の絵柄が、漫画っぽさを保ちながらリアルな質感で時代劇風に実体化している感じ。特に衣装、空想的でありながら現実的な厚みがあるというか。

女性はねー、前髪上げてたほうが絶対美しいと思うのですが(武井咲ちゃん桃割れとか銀杏返しとか似合いそう)、それでは漫画からかけ離れてしまうので、まあこれならアリかもというところに着地してますよね。

蒼井優ちゃんの恵、原作は普通に美女キャラなのに、眉がないせいか大人度アップupで怖い。
童顔だから年齢が近く見えてしまう薫との差別化を図ったとも考えられますが、来し方の葛藤やスーパー阿片密造の罪深さを表現してあれなのだろうか…scorpius

期待の香川照之さんも、漫画から抜け出てきたとしか思えない、丹下段平Againpunchかと思いきや、原作キャラを更に深化させた、(お父上譲りの)ギラつく脂を全身から発散しているようなエグい人物を作り上げていらっしゃいました。スゴイわlovely

ところで、あの髪型は武田つながりで鉄矢風なのでしょうかsign02

青木崇高さんの左之助は、大河に引き続き怪力怪人キャラですが何か清々しくshine小気味いいです。陰を持つ剣心とは反対に、その暴れ方の陽気なことsunsunsun

武田邸での対決の最後、壁ドゴオンimpactは草々兄さんリスペクトですよねっheart04(え違う?

そして佐藤健くんは申し分の無い主役。
維新を挟んでビフォー・アフター二つの顔を持つ役どころですが、電王の時は一人五役くらいやっていたから…bullettrainでも剣心は陰陽が同居しているので、完全に切り替えちゃっちゃダメなんですよね多分。のどかな陽光のように微笑んでいても心の闇を、阿修羅の形相の中にも純真を感じさせねば。

アクションも噂に違わず。

抜刀から納刀までの所作を含め、スピード感溢れる殺陣が美しいshineshineshine

基本アクションは流れだと思うので、細切れカットを繋ぐより長回ししてくれよ派なのですが、画面上のフラストレーションはほとんどありませんでした。途中何か所か動体視力が追いつかず、「速過ぎて動きが見えないcryingドニー・イェンかsign03punch」と心の中で叫んだらスローモーションが入って、その親切設計にグッと来ましたheart01いいねgoodwink(違

冒頭の山中といい、武田邸内図書室(廊下かな?)といい、やや狭い場所での斬り合いが多いのがまた凄い。「GANTZ」でもりんかい線車両内アクションがありましたが、大振りしない刀捌きは難度が高いのです…しかも逆刃刀という訳の分からない刀(←これにはいろいろ突っ込みたいけどやめておく)。

気分的に一番盛り上がったのは、剣心と左之助が武田邸へ突入するところですかねhappy02無数の敵を向こうに回し斬り込んでいくっていうのはもう無条件に燃えますimpact

一番ブレステイキングcoldsweats02だったのは、黒騎士仮面綾野剛さんとのバトル、途中フェンシングみたいになっていたような気がするのですが(ここも速過ぎてついて行けてない)、従来の殺陣を超えた日本刀アクションに驚嘆いたしました…。

派手なアクションではないにもかかわらずコイツ只者じゃない感を漂わせるのが、剣心の身のこなし。紙一重で切先を躱す体捌きは優雅crownshineですらあります。左之助に挑まれて逃げるまでの一連の動きとかもそう。

剣心自身は小兵の部類に入りましょうけれど、道場でのシーンだったか、かかって来た一回り大きい相手が軽い一撃で吹っ飛ばされる距離とスピードに、底知れぬ強さが出ていたような。特撮や漫画・アニメなんかだといくらでも飛んでいって壁にめり込んでいいんですが、絵空事になる一歩手前までを計算してリアルに留まっている印象でした。

さて。

漫画の実写化としてもアクション時代劇としても間違いなく成功flairといえるこの作品、実は壮大なまじないではないかと思うですよ。

大友啓史さんで佐藤健くんで人斬り、と言えば「龍馬伝」の岡田以蔵です。というか、その流れの延長線上での「るろうに剣心」実写化でしょう。が、そこに、あの以蔵を甦らせたいという想いがあるような気がしてなりません。

ドラマで人気が出た場合外伝・スピンオフがあったりしますけれど、史実のエピソードも限られていてネタがないし、海を渡るpiscesとか女の子にするvirgoとかのフィクション化も無理過ぎだしsweat02

そこに、幕末の尊王側の暗殺者という同じ過去を持つ、緋村剣心という存在が現れたのは千載一遇の好機。しかも彼は明治の世まで生き延びて活躍します。以蔵を剣心に重ね合わせてしまえば、甦らせるだけでなく転生させられるではありませんか。
ナイーヴで哀れな人殺しとして惨めに死んでいったあの若者にも、こんな風に生きる未来があったかもしれない…という、一種の祈りとも言えましょうか。

まずは周到に「龍馬伝」と重なるキャストを配し大河を想起させ、後半555・電王・スカルのライダーOBバトルでスーパーヒーローアクションへ相転移させる、と。映画そのものがおそらくは呪祭文なのですねえcatface(観客は護摩壇の火…みたいな?coldsweats01)。

──まあきっと全然違うでしょうが、当局は一切関知しないのでそのつもりで。

それはそうと、エンディングクレジットを見ておりましたらキャストに「窪田正孝」の文字。

えっ、どこにsign02coldsweats02

…もしや「パコと魔法の絵本」で犯した愚を私は再び…orz
いやしかし記憶を辿ると、剣心に斬られてもなかなか死ななかったゾンビ若侍しか思い当たりません。だとすれば目立たず埋もれず正にあの場にふさわしい、相変わらずの渋い仕事ぶり。

と、その確認と音速の殺陣をもう少ししっかり観るべく、動体視力を鍛えていま一度劇場に赴く所存にて御座候。

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